2016年10月14日(金)全国ロードショーで公開される、西川美和監督、本木雅弘主演の今年下半期ナンバーワンの呼び声高い素晴らしい映画「永い言い訳」を紹介します。
こんにちわ、楓(fu)です。
現在絶賛公開中の「怒り」(原作:吉田修一、監督:李相日、主演:渡辺 謙)の劇場版で、近日公開作品予告編として流れているのをご覧になった方も多いと思います。
原作・脚本・監督は「ゆれる」「ディア・ドクター」「夢売るふたり」の西川美和監督。
第153回直木三十五賞の候補作となった、ご自身の書き下ろし原作を映画化した「永い言い訳」は、主演の本木雅弘さんを主人公としながらも、「最高の片思い」(’95/CX)以来、実に21年ぶりの共演となる妻役の深津絵里さん、今回初共演の「魂のシンガー」竹原ピストルさん、他にも池松荘亮さん、黒木 華さん、山田真歩さん等、若手実力派とされる俳優たちも素晴らしい演技を見せてくれています。
今回は西川監督自らがキャスティングについてのコメントを残されているので、あわせてご紹介したいと思います。
予告編
あらすじ
長年連れ添った妻・夏子(深津絵里)を突然のバス事故で失った、人気作家の津村啓こと衣笠幸夫(本木雅弘)。夏子との間にはもはや愛情と呼べるものはなく、悲しみを“演じる”ことしかできない幸夫は、ある日、同じ事故で亡くなった夏子の親友の遺族と出会う。妻の死に憔悴したトラック運転手の父親・大宮陽一(竹原ピストル)と、母を亡くした幼い兄妹。幸夫は自分でも理由がわからぬまま、大宮家へ通い、兄妹の面倒を見ることを申し出る…。
家族を突然失った者たちは、どのように人生を取り戻すのか。人と人の“別れと出会い”を、「ゆれる」や『ディア・ドクター』のアナザー・ストーリー「きのうの神様」など、自身の映画作品から派生した小説で高い評価を得てきた西川監督らしい、鋭く、厳しくも優しい眼差しで描き出す本作。
主なキャスト
本木雅弘:妻を事故で失った作家の津村啓こと衣笠幸夫役
深津絵里:幸夫の妻・夏子役
竹原ピストル:幸夫と同じく事故で妻を亡くしたトラック運転手・大宮陽一役
堀内敬子:陽一の妻・ゆき役
池松壮亮:幸夫を見守るマネージャー・岸本信介役
黒木華:幸夫の担当編集者で不倫相手でもある福永智尋役
山田真歩:こども科学館の学芸員・鏑木優子役
西川監督のキャストへのコメント
本木雅弘さんについて
” 本木雅弘さんは、映画を志したころから「いつかは」という思いを寄せていた人でしたが、会ってびっくり、恐ろしいほどこの物語の主人公に酷似しているのです。この人しかいない、と思いました。しかし本木さんがこの作品にかけてくれているまっすぐでひたむきな愛と真摯さは、日々私たちのこころを支えてくれています。”
深津絵里さんについて
” 深津絵里さんにお願いしたのは、姿を消しつつも、物語の中心に在り続けなければならない、難しい役です。物言わぬ遺影の中に、観る人が彼女について様々に想像し、そしていくら想像しても、手の届かない「x」が残り続ける。それを少ないシーンで体現できる俳優は、深津さん以外にないと思ったからです。撮影のたびに、大変な解釈力に絶句させられ、舌を巻いています。”
竹原ピストルさんについて
” 竹原ピストルさんはご本人の歌の強さそのものの、他に侵されることのない「たましい」のようなものをお持ちだと感じます。そして、本木さんとの並びのいびつさと言ったら!これは他のどんな俳優とも成立しない組み合わせだと思いました。絶対に交わるはずのなかったはずの人間同士が交わってしまう話を、ゼロから作れる気がしたのです。”
まとめ
西川監督自ら話されているように、今回の「永い言い訳」という素晴らしい作品の中で、本木雅弘さんと竹原ピストルさんの並びの歪さは、見る側にとっても、そのビジュアル対比のみならず、作品中でも「気鋭の小説家」と「トラック運転手」という日常生活において交わる可能性が限りなくゼロに近いと思われる人間が、ある事件をきっかけに交わるようになる歪さのダブルミーニングと僕は感じています。
つい先日、竹原ピストルさんを追いかけるというドキュメンタリー番組の中で、竹原ピストルさんがライブを行っているライブハウスに本木雅弘さんがひとりの観客として訪れたシーンを見ました。ライブ終了後、本木雅弘さんが竹原ピストルさんの楽屋を訪ねて、本当に興奮し、感激されたのでしょう。少し震え気味の声で直接竹原さんに話されていたコメントを文字に起こしてみました。
「単独ライブ見たい!見ないと気が済まないっていう気持ちを(映画の撮影中に)伝えたと思うけど・・・、今夜しかスケジュールの空きがなかったから・・・、(竹原さんに対して)憧れがあるんですよね。だから、実は、ホントに、こう面と向かって話をするっていうよりも、何かやっぱり・・・、時々でもいいから、浴びるようになんだけど、眺めていたいみたいな・・・。何か、そういう感じですね!なんかヤバいね(笑)ラブレターみたいになっちゃった(笑笑笑)」
その後でお互いハグしてて、見ていて何だかこっちまで熱くなってしまいました。
映画「永い言い訳」を通して、色々な意味で歪に感じられた本木雅弘さんと竹原ピストルさんの共演でしたが、男の友情的な素敵な出会いをお二人がされたということを知ることが出来て、ますます公開が待ち遠しくなってしまいました!
長い文章、最後までお読み頂き、感謝いたします。
ありがとうございました。
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