一病息災 とは「病気もなく健康な人よりも、ひとつくらい持病があるほうが健康に気を配り、かえって長生きすること」という意味なのですが、ワタシの”一病”とは、あの厄介な『緑内障』というヤツなのです。
それも緑内障によって引き起こされる視野障害の症状の中でも末期の視野障害と云われるもので、右目視野の中心部がほとんど見えなくなっています。ただ左目は現在のところ正常というか、視力も矯正視力で1.0以上はキープしているので、日常生活にそれ程の不自由さは感じてはいないのですが・・・。
今回はワタシの教訓もお話しながら、早期発見・早期治療のきっかけにして頂ければ幸いです。
緑内障という病気について
緑内障とは
目の中には、血液のかわりになって栄養などを運ぶ、『房水』と呼ばれる液体が流れています。
『房水』は『毛様体』で作られて『ジュレム管』から排出されます。
目の形状は、この『房水』の圧力によって保たれていて、これを『眼圧』と呼びます。通常、眼圧は時間や季節によって多少変動しますが、ほぼ一定の値を保っています。
『緑内障』とは、何らかの原因で視神経が障害され、視野(見える範囲)が狭くなる病気です。眼圧の上昇が、その原因のひとつと云われています。
緑内障の症状
最終的には視野障害の進行による失明が最悪の症状となります。
一般的に緑内障では自覚症状はほとんどありません。知らないうちに病気が進行していることが多くあります。
視神経の障害はゆっくりと起こり、視野(見える範囲)も少しづつ狭くなっていくため、目に以上を感じることはありません。
但し、急性の緑内障では急激に眼圧が上昇し、目の痛みや頭痛、吐き気などの激しい症状を起こすことがあります。
時間が経つほど治りにくくなるので、このような急性閉塞隈角緑内障の発作が起きた場合は、すぐに治療を行い、眼圧を下げる必要があります。
緑内障の検査
眼圧検査
直に目の表面に測定器具をあてて測定する方法と、目の表面に空気をあてて測定する方法があります。職場の定期検診などでは後者の検査が多いのではないでしょうか?
ちなみに適正眼圧は10mmHg~21mmHgとなっています。
検査をする機会があれば結果をその場で確認することをお勧めします。なぜか眼圧の数値はその場でこちらから聞かないと教えてくれないことが多いのですが、一体なぜなのでしょうか?(ワタシの個人的な経験則です)
眼底検査
視神経の状態を見るために、視神経乳頭部を観察する検査です。
陥凹(へこみ)の形が正常に比べて変形し大きくなります。
緑内障発見のための必須の検査です。
職場の定期検診などでは、ある年齢以上は必ず行われる検査ですね。
視野検査
眼圧検査や眼底検査の結果によって、緑内障が疑われる場合に実施される検査です。視野の欠損(見えない範囲)の存在の有無や大きさから、緑内障の進行具合を判定する検査となります。
検査機器はいくつかのタイプがあるようですが、緑内障のワタシが毎月行っているのは、片目づつ検査機器を覗き込んで、色々な場所に大きさの違う光が見えたときに手元のボタンを押すことによって、見えている部分と見えていない部分をグラフ化してくれる検査です。
言えるのは、めっちゃ疲れる検査です(涙)
ワタシの経験からみる緑内障について
最初に気になったこと
最初はコンタクトレンズの定期検査でのことでした。
その前から目の前を黒い糸くずみたいなものが飛んでいる自覚症状があって、検査のときに先生に伝えると、「ちょっと検査してみましょう」みたいな感じで色々な検査をされました。
結果として涙腺が何らかの原因によって詰まり気味で、『ドライ・アイ』みたいな診断結果だったと思います。
その時に視野の検査とか出来ていたら良かったのかもしれませんが、何せコンタクト屋さんに付属しているような眼科だったので、そこまでの詳しい検査はありませんでした。
それから何年かして、糸くずの見える頻度が多くなってきた時に、初めてちゃんとした眼科で検査してもらいました。
診断結果と治療について
検査の結果、中期の『緑内障』という診断で、既に視野障害も始まっている状況でした。
その時になって初めて『緑内障』という病気のことについて知りました。
視野障害が進行して視野の欠損が起きている状況は、現代の医学では正常な視野に戻すことは出来ないこと。
対処としては、現在の状況より進行しないように眼圧を下げた状態を維持するしかないということ。
つまりは治らない病気だということに気付かされたのがショックでした。
不幸中の幸いというか、視野障害が顕著なのは右目だけであり、左目は一応正常な状況を維持出来ているので、自動車免許の更新など、日常生活には特に支障は出ていません。
しかしながら、最初に少しの自覚症状があったときに、ちゃんとした眼科で検査してもらっていれば・・・と、現在となってはとても後悔しています。
現在の状況について
現在、毎月の診察時に眼圧の測定を行いながら、数値に変化が見られた場合には、その都度視野の検査を欠かさずに行っています。
症状の顕著な右目は進行を食い止めるしかないのですが、何とか持ちこたえてくれている左目の進行を何が何でも食い止めるのに必死になっている状況です。
自動車免許証の更新は出来ているの運転は可能なのですが、出来るだけ運転しなくても済むように今年から営業職→内勤業務へと移動希望を出して移動しました。
現在の部署は運転しなくていい代わりにパソコン仕事が中心なので、眼精疲労に悩まされているのは仕方のないことですね。
緑内障の治療について
緑内障の治療は病気の進行を食い止めるため、眼圧を低くコントロールすることが最も有効とされています。
薬物療法
眼圧を下げるために使われる薬は、主に房水の生産量を減らしたり、房水の流れを良くする薬です。
まず点眼薬から始め、最初は1種類の点眼薬で様子を見ながら、途中で変更したり、また2~3種類を併用することもあります。
現在のワタシは2種類の点眼薬を併用して治療しています。
点眼薬だけでは効果が不十分(眼圧が安定して下がらない状況)な場合は、内服薬を併用することもあります。
レーザー治療
急性緑内障の場合や、薬物療法で庵圧コントロールが不十分な場合はレーザー治療や手術を行います。
レーザー治療とは、レーザーを『虹彩』に当てて穴を開けたり、『線維柱帯』に当てて房水の流出を促進します。
比較的安全で痛みもなく、入院の必要もありません。
手術
房水の流れを妨げている部分を切開し、流路を作って房水を流れやすくする方法や、『毛様体』での房水の生産を抑える方法などがあります。
薬物療法、レーザー治療、手術ともに眼圧を低くコントロールするために施される治療方法であり、視野障害の回復を行うものではありません。
日常生活では判り難い、初期段階での視野障害をいかに早期に発見出来るかが、何よりも大切だということですね。
まとめ
重ねて申し上げますが、先天性以外の途中失明原因の4分の1、約25%が緑内障によるものなのです。この病気は早期発見さえ出来れば、確実に病気の進行をストップさせて失明という最悪の結果を防ぐことが出来るのです。
実際に右目がほぼ失明状態にあるワタシが皆さんに訴えたいことは、そのことだけと言っても過言ではありません。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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