右肩手術からの完全復活を目指す福岡ソフトバンクの松坂大輔投手が、2017年3月4日のヤクルトとのオープン戦(開幕戦)に先発し、3回を2安打1四球で2失点(奪三振は無し)と無難に乗り切った。投手王国であるソフトバンクの中では残り1枠の先発ローテーション入りを目指して熾烈な戦いが続いている。
2017年シーズン開幕に向けてソフトバンク・ホークスの先発投手ローテーション競争が熱い。既に確実視されている投手は、和田・バンデンハーク・千賀・武田の4人。残り1枠をかけて東浜と共に注目されているのが契約最終年度を迎える松坂大輔投手である。
ネットを見渡してみると残念ながら松坂に関してはネガティブな記事が目立つ。これまでの期待値が高かったが故の反動とも云えるが、一時代を築いた伝説の選手が投手生命を賭けて復活を目指す姿には悲壮感が漂う。
昨今の風潮として「悲壮感」そのものに対するカッコ悪さを嫌う雰囲気があるのかもしれないが、あの「松坂大輔」が名声をかなぐり捨てて、もがき苦しみながらも一歩一歩前進している姿を目の当たりにできることに自分を含めた野球ファンは感謝しなければならない。
ヤクルト戦での登板動画
イチローが語る「松坂大輔」への思いとは
2人の関係は長く、深い。松坂が高卒1年目だった1999年、イチローとの初対決が実現した。当時、日本球界で敵なしだった天才打者を、18歳の右腕が3打席連続三振に仕留めた。松坂が「自信が確信に変わった」と言えば、イチローも「真っ直ぐがあれだけ速くて、変化球も素晴らしい。勝負以外の楽しみが出来ました」とその力を認めた。2人の名言は日本中の野球ファンの心を打ち、「名勝負」はそれから注目を浴び続けた。
2014年、メッツ時代の松坂大輔がシーズン初勝利を挙げたヤンキース戦で、当時ヤンキース所属のイチローが語った言葉が今思い出される。
「僕にとって大輔が背負っているものは、なんか人と違うものがある。常に自分だけではない何かをあいつは背負っているでしょ。今は先発でないし、あいつの中に秘めるものが必ずある。これは僕の推測に過ぎないんですけどね。久しぶりにここ(ヤンキースタジアム)で見たら、今日僕は出てないんだけど、応援したいと言えばちょっと変な言い方というか、おかしいんだけど、一緒に頑張りたいというか、そういう気持ちが今、特にする。なかなか同志という存在はいないけど、大輔はそういう意味で唯一かもしれないね。僕にとってはね。あいつの性格も僕なりに知っているところもある。今までの行動とか言動とかを含めて、僕なりに分析すると、そうだろうなぁと」
日本球界復帰後の松坂に対するイチローの言葉は公式には語られてはいない。しかし当時のイチローの松坂大輔についての思いは、きっと現在でも変わっていないのではないだろうか。
松坂大輔、日本球界デビュー戦映像
初球、149kmのストレートから松坂大輔のプロ人生が始まったのだ。
久しぶりにこの動画を見たが、若干首を振り気味のフォームは当時からのものだったのかと改めて感じた。
まとめ
日本球界デビュー戦動画をじっくり見て欲しい。180cm、78kgのまだ細くしなやかな身体から繰り出される最速155kmの速球は、投手「松坂大輔」にとって全ての原点であろう。
それから18年目を迎える今年、松坂は生まれ変わろうとしている。例えそれが速球派から技巧派への転向と心無い野球ファン(僕は彼らを野球ファンとは認めないが・・・)に揶揄されようとも、不死鳥の如く復活する、復活しようとする「松坂大輔」にこれからも注目したい。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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